流産7.静脈麻酔
こんにちは、ななです。
手術レポ②
以前他の病気で手術した時は
テレビみたいに
麻酔されてから数を数えて
何個目かで
視界がブラックアウトして
気付いたらいつもの入院病棟の天井
みたいな
今回も同じだと
思ってた
全然ちがった
点滴に麻酔が入り
視界が暗くなると思ってたから
目をつぶった
すると
つぶった“視界”が
白めの砂嵐に
パソコンのスクリーンセーバーのような
幾何学模様のような
サイケデリック感
まるで
自分がココアパウダーの一粒で
生クリームに入れられて
混ぜられてるような
大きいものに紛れ込んで
もう自分ではどうしようもない
発狂しそうなのを耐えながら
流れに任せるしかない
と
周りの声も、外国語みたいになってたけど、ずっと聞こえるし
体のどこか(実際は子宮だけども)が押される感覚があるし
術が終わって、パンツを二人掛かりで穿かされてる感覚もあるし
ずっと覚醒してた
手術中は
あ、私って人間じゃなくて粒子なんだ
なんて、どこかの小説みたいな事に気付いたり
自然派生の人体に
科学の名の下、医者であるただの人間が
手を加えて良いはずがない
なんて、どこかの宗教みたいな事に気付いたり
手術直後
大丈夫ですか、と聞かれ
粒子である私が答えられるはずがないと思ったけど
遠くで私が大丈夫ですと答えてるのを聞いた
何度か声をかけられて
その度に目を開けようとして
一度人間に戻るけど
目を閉じると
途端に粒子に戻って
何度か
粒子と人間を行ったり来たり
凄く
すごく
辛かった
本当に
辛かった
もう
今までの自分に
戻ってこれないかと思った